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SONYは磁気テープの新ブランド立ち上げに失敗したのか? [SONY]

ちょっと大げさなタイトルにしましたが、まずは下の写真をご覧ください。

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手前のカセットテープは一見するとB級っぽい雰囲気を漂わせていますが、正真正銘SONYのカセットテープなのです。

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TOKYO2020を彷彿させる市松模様っぽいパッケージデザイン

インデックスカードはデザインされたSMPのロゴマークが目を引き、ちょっと見ただけではSONYっぽくないのですが、テープ本体のデザインはいかにもSONYといった感じです。

SMPだけでは自信がなかったのでしょうか、中くらいの力強いフォントでSONY MAGNETIC PRODUCTS, INC.と会社名を入れているので、SONYのテープだとわかります。

ソニーマグネプロダクツ株式会社とはソニーの仙台工場のことで1958年からオーディオテープを量産していて、1976年に社名がソニーマグネプロダクツ(株)に変更されています。

いつ頃の商品なのか気になるところですが、私自身このテープを店頭で見た記憶がなく、当時の雑誌でも商品紹介や広告を見つけることはできませんでした。

ハーフの形状とリーダーテープ、製造ロット番号などから推測するとCHFが発売される前、すなわち1976年~1977年ころに作られた製品と思われます。

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リーダーテープは初期のCHFやDUADと共通の赤色です。

ネットを検索すると、これ以外にHFタイプがあるのですが、タイプIIやタイプIIIはなさそうです。

当時の価格設定を知ることができれば、SONYがSMPブランドをどのように位置づけたかったのかがわかるのですが、おそらくSONYの廉価ブランドとしての位置づけだったのではないでしょうか。

すなわち「DENON」と「COLUMBIA」みたいな関係です。当時、DENONテープよりもCOLUMBIAテープのほうが量販店でパック品で安く売られていましたからね。そしてCOLUMBIAブランドはノーマルテープしか扱ってなかったような気がします。

でも早々にSONYが新ブランドを浸透させることをあきらめたと思われるのが下の写真です。

せっかく作ったSMPロゴマークをSONYのシールでわざわざ隠しているのです。

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SMPロゴマークを完全に隠しています。

たった1~2年でSMPブランドは消滅したと思われます。

その後、ソニーマグネプロダクツの名はしばらく表に出なくなります。

しかし、1983年にMETAL-ESでソニーマグネプロダクツの名は復活し、その後のHFシリーズやUXシリーズのシュリンクパッケージには基本的に「ソニー・マグネ・プロダクツ株式会社」と印字されているはずです。お手元に該当するカセットがあれば確認してみてください。

仙台工場ではメタルテープを取り扱っていて、メタル蒸着8ミリビデオカセットテープのHi8MEやDATも生産されていたようです。

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初期のSONY DATパッケージ 1990年頃

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DATクリーニングテープ 1990年頃の商品

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NEW BHFは1983年、HF-ESは1985年の広告
発売元は「ソニーマグネテープセールス株式会社」 ややこしいですね。



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