「Compact Cassette 」ロゴマークの謎 [なつかしのカセットテープ]
1970年代にはよく目にした「Compact Cassette」のロゴマーク(フォーマットマーク)。
1977年購入の日立カセットテープ かなり大きいロゴマークが入っています
いつの間にか商品からロゴマークがなくなっていました。
というか、もともと入れる義務がなかったのでは?という気がするんです。
カセットテープは1962年にオランダのフィリップ社が開発して特許を無償公開したことにより、あっという間に世界標準の規格になったことはよく知られた話です。
ロゴマークを商品に入れる意味は、「①互換性を示す」「②ライセンス契約を結んでいる」ということが挙げられますが、カセットテープの場合はフィリップ社が特許を無償公開しているので、「①互換性を示す」の意味だけかもしれません。
では何故1980年代には「Compact Cassette」のロゴマークが消えたのでしょうか?
あくまでも推測ですが、あまりにも認知度が高すぎてわざわざロゴマークを入れなくても世界中の人が一目でカセットテープと判別できるようになったためかもしれません。
今回はメーカー毎に「Compact Cassette」ロゴマークに対する姿勢を見てみましょう。
手持ちのカセットテープを元に調べているので間違いがあるかもしれません。悪しからず。
まずはTDKから。
ADを例にしてみると、初代(1977)~第2世代(1979)にはカセット本体にロゴが入っていますが、第3世代(1981)では本体からロゴマークがなくなり、インデックスカードに印刷されていました。第4世代(1984)ではインデックスカードからもロゴマークがなくなりましたが、外装フィルムにはまだロゴマークが残っていました。しかし第5世代が発売された1986年には完全にロゴマークが消滅しました。
初代AD(1977)カセット本体に「Compact Cassette」ロゴマークがあります。
第3世代AD(1981)はインデックスカードに小さくロゴマークがあります。
次にマクセルですが、UD-XLが発売された1974年にはすでにロゴマークが排除されています。
1974年発売のUD-XL
マクセルUL(1978)はどこにもロゴマークがありません。
一方、マクセルULと双子のLo-D DL(1978)にはロゴマークがあります。
※ロゴマークを拒絶していたようにも思えるマクセルですが、40年以上の時を経て2016年に発売された復刻版UDでは、ロゴマークも一応復活させています。
そしてソニー。
ソニーは当初プライドがあったのかわかりませんが、カセットテープと言わずに、自社開発のマガジンテープと名付けていたようで、勝手に独自のロゴマークを付けていました。よくフィリップ社が許してくれたと思います。
ソニー独自のロゴマークはAHF/BHF/CHFシリーズが発売される1978年くらいまで続いていたようです。
CHF(1978)「Compact Cassette」ロゴマークがあります
おなじみDUAD(1978)も「Compact Cassette」ロゴマークがあります
ハイポジRock(1981)
上記写真のRockシリーズの54分テープは「ロック録るならRock54」(ロック54←かけ算九九)というキャッチコピーだったようです。
ハイポジUCX-S(1981)
ハイポジJHFの後継モデルとして登場したのが、Rock、UCX、UCX-Sの3モデルです。
上位モデルのUCX-Sが1981年に先行発売されて、翌1982年に標準モデルのUCX発売という変則的順序でした。
UCX-Sにはロゴマークがあるのに、何故かUCXからはロゴマークが消えています。
ということはSONYは1982年がロゴマーク有無のターニングポイントですね。
フィリップ社の特許取得が1962年ですから、1982年に特許が切れたことと関係しているのかもしれません。
キラキラのラベルになったNEW AHF(1983)はロゴマークが消えました。
4番目はフジ。
FX Jr(1976)カセット本体に「Compact Cassette」ロゴマークがあります。
Rangeシリーズ(1977)では「Compact Cassette」ロゴマークがなくなりました。
5番目はドイツのBASF
Super LH I(1978)これ以降では「Compact Cassette」ロゴマークがなくなりました。
最後に米国のスコッチ
自由の国トランプ大統領の口癖でAmerica Firstというのがありますが、カセットテープの世界でもAmerica Firstで他社を真似することを嫌う国民性なんでしょうか。スコッチカセットテープには「Compact Cassette」ロゴマークを入れた形跡がありません。
もし「Compact Cassette」ロゴマークの入ったスコッチカセットテープがあればぜひ教えてください。
このシリーズに限らず、全てのスコッチカセットテープには「Compact Cassette」ロゴマークがどこにも見当たりません。
番外編でNational オングロームDU(1983)
メタルでもない、クロームでもないというキャッチフレーズで登場した超光沢のあるテープです。
時代に逆行するかの如く「Compact Cassette」ロゴマークがしっかり入ってます!
以上をまとめると、国内メーカーではマクセルがいち早くロゴマークを排除していたことが判明しました。理由は分かりません。
まぁスコッチは最初から完全無視みたいですけど・・・。
そうです。ロゴマークを入れなくても何のお咎めも無しなのです。
マクセルが1974年に早々とロゴマークを排除してからも、SONYは9年、TDKは12年間使用し続けていたようです。
このメーカーのポリシーの違いはどう解釈したらよいのでしょうね。
1977年購入の日立カセットテープ かなり大きいロゴマークが入っています
いつの間にか商品からロゴマークがなくなっていました。
というか、もともと入れる義務がなかったのでは?という気がするんです。
カセットテープは1962年にオランダのフィリップ社が開発して特許を無償公開したことにより、あっという間に世界標準の規格になったことはよく知られた話です。
ロゴマークを商品に入れる意味は、「①互換性を示す」「②ライセンス契約を結んでいる」ということが挙げられますが、カセットテープの場合はフィリップ社が特許を無償公開しているので、「①互換性を示す」の意味だけかもしれません。
では何故1980年代には「Compact Cassette」のロゴマークが消えたのでしょうか?
あくまでも推測ですが、あまりにも認知度が高すぎてわざわざロゴマークを入れなくても世界中の人が一目でカセットテープと判別できるようになったためかもしれません。
今回はメーカー毎に「Compact Cassette」ロゴマークに対する姿勢を見てみましょう。
手持ちのカセットテープを元に調べているので間違いがあるかもしれません。悪しからず。
まずはTDKから。
ADを例にしてみると、初代(1977)~第2世代(1979)にはカセット本体にロゴが入っていますが、第3世代(1981)では本体からロゴマークがなくなり、インデックスカードに印刷されていました。第4世代(1984)ではインデックスカードからもロゴマークがなくなりましたが、外装フィルムにはまだロゴマークが残っていました。しかし第5世代が発売された1986年には完全にロゴマークが消滅しました。
初代AD(1977)カセット本体に「Compact Cassette」ロゴマークがあります。
第3世代AD(1981)はインデックスカードに小さくロゴマークがあります。
次にマクセルですが、UD-XLが発売された1974年にはすでにロゴマークが排除されています。
1974年発売のUD-XL
マクセルUL(1978)はどこにもロゴマークがありません。
一方、マクセルULと双子のLo-D DL(1978)にはロゴマークがあります。
※ロゴマークを拒絶していたようにも思えるマクセルですが、40年以上の時を経て2016年に発売された復刻版UDでは、ロゴマークも一応復活させています。
そしてソニー。
ソニーは当初プライドがあったのかわかりませんが、カセットテープと言わずに、自社開発のマガジンテープと名付けていたようで、勝手に独自のロゴマークを付けていました。よくフィリップ社が許してくれたと思います。
ソニー独自のロゴマークはAHF/BHF/CHFシリーズが発売される1978年くらいまで続いていたようです。
CHF(1978)「Compact Cassette」ロゴマークがあります
おなじみDUAD(1978)も「Compact Cassette」ロゴマークがあります
ハイポジRock(1981)
上記写真のRockシリーズの54分テープは「ロック録るならRock54」(ロック54←かけ算九九)というキャッチコピーだったようです。
ハイポジUCX-S(1981)
ハイポジJHFの後継モデルとして登場したのが、Rock、UCX、UCX-Sの3モデルです。
上位モデルのUCX-Sが1981年に先行発売されて、翌1982年に標準モデルのUCX発売という変則的順序でした。
UCX-Sにはロゴマークがあるのに、何故かUCXからはロゴマークが消えています。
ということはSONYは1982年がロゴマーク有無のターニングポイントですね。
フィリップ社の特許取得が1962年ですから、1982年に特許が切れたことと関係しているのかもしれません。
キラキラのラベルになったNEW AHF(1983)はロゴマークが消えました。
4番目はフジ。
FX Jr(1976)カセット本体に「Compact Cassette」ロゴマークがあります。
Rangeシリーズ(1977)では「Compact Cassette」ロゴマークがなくなりました。
5番目はドイツのBASF
Super LH I(1978)これ以降では「Compact Cassette」ロゴマークがなくなりました。
最後に米国のスコッチ
自由の国トランプ大統領の口癖でAmerica Firstというのがありますが、カセットテープの世界でもAmerica Firstで他社を真似することを嫌う国民性なんでしょうか。スコッチカセットテープには「Compact Cassette」ロゴマークを入れた形跡がありません。
もし「Compact Cassette」ロゴマークの入ったスコッチカセットテープがあればぜひ教えてください。
このシリーズに限らず、全てのスコッチカセットテープには「Compact Cassette」ロゴマークがどこにも見当たりません。
番外編でNational オングロームDU(1983)
メタルでもない、クロームでもないというキャッチフレーズで登場した超光沢のあるテープです。
時代に逆行するかの如く「Compact Cassette」ロゴマークがしっかり入ってます!
以上をまとめると、国内メーカーではマクセルがいち早くロゴマークを排除していたことが判明しました。理由は分かりません。
まぁスコッチは最初から完全無視みたいですけど・・・。
そうです。ロゴマークを入れなくても何のお咎めも無しなのです。
マクセルが1974年に早々とロゴマークを排除してからも、SONYは9年、TDKは12年間使用し続けていたようです。
このメーカーのポリシーの違いはどう解釈したらよいのでしょうね。
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